尾燈去ル

生きるための記録。

越後三山(八海山・中ノ岳・越後駒ヶ岳)縦走

三連休。

目標としていた越後三山(八海山・中ノ岳・越後駒ヶ岳)縦走を実行した。

 

八海山への登山口は3つある。大崎登山口・山口登山口・大倉登山口。

大崎登山口は八海山尊神社・大崎里宮より始まるルート。

大倉登山口は、八海山坂本神社から入るルート。大崎登山口からのルートとは、大倉口分岐でいっしょになる。

山口登山口は六日町八海山スキー場行きのバスを降りて、八海山ロープウェーのある南側から上るルート(途中からは八海山ロープウェーを使ってもよい)。

 

調べた限り越後三山縦走で使われているのは、ほとんど大倉登山口からのルートのようだ。なぜなら八海山坂本神社に車を停めておけば、無駄なく越後三山を縦走できるからだ。

 

そこで。人の行く裏に道あり花の山。

という訳で、自分は今回敢えて大崎登山口から登り始めることにした。

理由は、一つには人があまりやってないルートだから。そしてもう一つには、八海山入口から登るこちらのルートが、八海山登山としてはメインルートだから。

言い換えるならば、”おもて”から登って越後三山を踏破したかったからだ。

 

1日目

AM 5:00前に大崎里宮に到着。登山口は暗闇の中で少し分かりにくかったが、境内向かって右の方に見つかった。

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早速中々の急傾斜が続く。八海山は古くから修験者たちが修行をしたらしく、正に、という感じ。(ただ、本当の”修験の道”はまだまだこれからだった…)

 

AM 5:50。周囲も明るくなって、金剛霊泉についた。

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AM 6:45。八海山ロープウェーの山頂駅(1147m)についた。

八海山遥拝場、避難小屋もここにある。1000mを超えた辺りから霧が出てきていた。

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まもなく大倉口分岐(四合半)に出た。大倉登山口からのルートとの合流点だ。

さらに20分ほど歩くと、道から少し入ったところにコギ池という小さな池がある。コギ池=漕池で、モリアオガエルの生息地(と看板にあった)。

覗くと確かに、水の中には無数のオタマジャクシがいた。

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AM 7:45。すっかり雲を抜け、女人堂山小屋到着。

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こんな張り紙が山小屋に。(「そそっかしい者」には当てはまっているかも…)

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AM 8:30。薬師岳(九合目, 1654m)に到着。

千本檜小屋、さらに向こうに大日岳の岩肌がぼっこりと飛び出て見える。

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そして、ここからが本当の”修験の道”だった。ひたすら鎖場の連続。

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不動岳、五大岳、白川岳、摩利支岳を経て、AM 9:00に大日岳(1720m)到達!(てっぺんに祀られているのは、天照大神

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過ぎてから振り返るとこんな感じ。すげぇとこ来たなぁ…

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AM10:00入道岳(1778m)到着。ここが八海山の最高峰。

霧が晴れていて、中ノ岳・越後駒ヶ岳そして魚沼盆地もよく見える。

中ノ岳に向かってこの尾根沿いを行くのだ、と示されているようで気合が入る。

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さて、ついに入道岳から五龍岳→荒山→オカメノゾキ→御月山と経る尾根歩きへ。

オカメノゾキまではひたすらの下り。鎖もなく、急な下りは草木を掴みながら下る。

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 PM0:15。最低鞍部、1240mのオカメノゾキ(稜線がボコっと凹んでいる部分)

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オカメノゾキを過ぎると、一点の上り。御月山、そして中ノ岳へと駆け上がる。

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真沢、檜倉沢のせせらぎが尾根の左右から聞こえる。水が欲しい。

クタクタで、歩いても歩いても御月山が遠い。

 

PM2:35、ようやく御月山(1821m)へ着いた。

祓川で水を補給する。金剛霊泉以来の水場。水量は僅かだが、全身に染みわたる様。

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中ノ岳山頂は目の前。

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PM3:55、中ノ岳山頂(2085m)にたどり着いた。

長かった…そして、よくやった。

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中ノ岳避難小屋で夜を明かす。

紅葉の時期だけあって、1, 2階とも一杯。登山道具から察するに、山に登り慣れた人ばかりの印象。

話を聞くと、自分と同じように八海山の方から縦走してきた人もいた。

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2日目

AM4:15出立。

北東に荒山集落辺りの光、そしてその奥には南魚沼市中心部の街明かり。

 

AM5:30日の出。

中ノ岳から越後駒ヶ岳への稜線はちょうど真北に続いて、その真東に荒沢岳が続く。なので、荒沢岳をバックに日が出てくる格好。

中ノ岳、越後駒ヶ岳、荒沢岳は総称して「裏越後三山」というらしい。いつか縦走してみたい。

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越後駒ヶ岳への尾根歩きは、多少の高低はあれ、八海山から中ノ岳の昨日のそれに比べれば全く楽なものだった。

AM6:45、天狗平(1729m)へ達すると道は平坦で、もう越後駒ヶ岳山頂はすぐそこ。

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AM7:50、越後駒ヶ岳山頂(2003m)に到着!

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霧も全く出ていない秋晴れ。

八海山から中ノ岳、そしてここ越後駒ヶ岳山頂までの稜線を目でなぞる。改めてよく来たと思う。

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北には角田山と弥彦山、そして薄っすらと佐渡も確認できた。

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グシガハナ分岐をグシガハナの方に降りて下山。グシガハナから十二平までは、1500mほどの雑木林を一気に駆け下りる急勾配。ここは本当にキツかった。

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脚がパンパン。なにより祓川以来水場がなく、ほぼ水も尽きかけていた。

水無川を目指して必死で下ること、果てしなく長い3時間…十二平に着いた。

 

一刻も早く水が欲しくて、2m丈のススキ林をかき分けて水無川へ出る。

喉を潤し、飯を食って昼寝をした。

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さて、帰ろうか。

と思った矢先、とんでもない悲劇が起こった…胸ポケットからiPhoneがぽとり。

iPhone水無川に飲み込まれた…その瞬間、頭が真っ白。

不用心にもケースも何もつけていない裸のiPhone

 

必死で水をかき分けると、幸いiPhoneは流れていなく拾い上げられた。

そして…スリープ画面は、何も変わらず表示された…

 

え?…(゚д゚)!

 

わけが分からないが、iPhoneは凄かった。Appleは凄かった。

というか、この時Appleに一生付いて行くと誓った。

(実はこの時タッチ操作は全く効かなくなっていて、その後家に帰ると画面も表示されなくなってしまったのだけれど、修理屋に持って行き内部の水を拭き取ってもらうと、結局iPhoneは完全に復旧した。そして、今現在まで何の問題もなく使えている)

 

という訳で、この後は写真を撮れず、ひたすらに先を急いだ。

十二平から少し行くと、もう舗装路があった。水無川沿いにひらすら歩き、荒山集落へ出た。

PM3:00、八海山坂本神社。船ヶ沢新田集落を経て、八海山入り口へ。

そしてPM4:30、八海山尊神社へ戻った。

 

参拝を終え、帰路についた。

よい修行になりました。